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介護者カフェの紹介①

2018.10.02
介護者カフェ

カフェ・サロン活動とは

檀信徒を中心に地域住民同士が交流できる場を寺院が提供する、お茶飲みサロンなどを含む活動。「介護」や「子育て」などテーマを設定し、地域住民が集まって情報共有や相談をする場を提供します。

介護者カフェ(ケアラーズカフェ)とは

カフェ・サロン活動の一つ。近年増加し続ける介護問題に悩む檀信徒や介護に携わっている地域住民に、情報交換や息抜きの場を提供する活動。在宅介護による孤立を防ぎ、介護に携わる方の心のケアにつながる他、介護に対する知識や縁を得る一助となります。
※要介護者の集いではありません。

活動者紹介インタビュー

下村 達郎(しもむら・たつろう)師
1982年生まれ。浄土宗総合研究所研究スタッフ、東京教区香念寺住職。2005年に東京大学医学部健康科学看護学科卒業、2007年に香念寺住職に就任。2016年11月より自坊にてケアラーズカフェ「介護者の心のやすらぎカフェ」を開始し、介護者同士が悩みを語る場を提供している(2018年4月まで計9回)。2018年1月には「映画『まなざし』上映会と監督による解説」(於亀有地区センター)、同2 月には「介護者サポーター入門講座」(於香念寺)を開催

 

どうして介護者カフェを始めようと思ったのでしょうか。

介護にあたる方は、家族など被介護者との関係性に閉ざされ、社会から孤立しているように感じてしまいがちです。「誰にも知ってもらえない」という辛い気持ちを独りで抱え込まず、他者との繋がりを感じるきっかけを定期的に持ってもらおうと思い、活動を開始しました。

始める前に不安に思ったことはありますか。また、それはどのように解消されましたか。

介護をしたことがなく、専門知識も持っていない私が会を主催していいものかと心配しておりました。しかし実際は参加者の方が主体的にご自身の思いをお話されるため、寺院側は聞き役に徹すれば良いことが分かりました。また、近隣の地域包括支援センターの職員の方も参加されており、必要に応じて行政の窓口を紹介してくださっています。私が何かを「教える」のではなく、介護者同士、介護者と行政といった地元の横の繋がりのための「橋渡し」が役割なのだと感じました。

介護者カフェを始めてみて、檀信徒や地域住民など、周りの反応や変化はありますか。

檀信徒の方々は活動を好意的に捉えてくださっています。地域の方も、寺院がこうした取り組みをすることに何らかの安心を感じてくれている印象を受けます。「浄土宗新聞」(平成30年3月号)の記事をご覧になった区内の浄土宗檀信徒の方から匿名で、活動に対して「大変うれしく思いました」というお葉書をいただいた、ということもありました。

法務との両立は大変ではないですか。

2カ月に1度、平日の午後2時間の開催ということで、法務への支障はありません。毎回、次の開催を楽しみにされている参加者の方もいらして、活動継続のモチベーションとなっています。
以前は法務以外で寺院を地域に「開く」ということは、例えば毎日お寺を開放し、いつでも誰でも受け入れる必要があるのでは、と思い、ハードルを感じていました。
しかし、ともに活動する方より、「2カ月に1度の活動でも、参加者にとって会が『日常の一部』となれば、寺院が地域に開かれているということなのではないか」とお言葉をいただいてから、会の開催に対し自信を持つことができるようになりました。
寺院としても今までお話しする機会のなかった方と繋がる良い機会をいただいておりまして、将来こちらが介護に関するご相談をさせていただく可能性もあるように思います。介護は誰にとってもいつ自分の身に起こるかわからないですから。

活動のなかで大切にされている思いはありますか。

会においては、社会的地位を超えたところでお話しが交わされているように思います。参加者の誰かが出しゃばったり偉ぶったりすることなく、お互いが謙虚な姿勢で思いを分かち合うことができているのは、寺院という場の特性によるものではないでしょうか。
「家族が介護するのは当たり前」という義務感、「完璧に介護できなくては」という使命感から不安や孤独を感じる介護者の方に対し、「人それぞれ完璧にできることばかりではない」という意識を持ってもらい、お互いを許し合い、認め合う空気感を通じて、自分は独りではないということを感じてもらえればと思っております。
こうした会のコンセプトは、自身の至らなさを認め、「愚者の自覚」を持ってお勤めするお念仏の心と通じるものと感じております。

 

 

―この活動は決して「陰」の活動である必要はない。
それぞれの方に悩みや辛い部分があるにせよ、「被害者」のように扱ったり、愚痴の言い合いで終わる会にはしたくないと思っています。少しでも人との繋がりを感じ、独りではないと思ってもらう、前向きになってもらうための会だということを意識し、毎回開催に臨んでいます、と語ってくれた下村師。
次回は、介護者カフェ開催当日の様子をお届けいたします。

 

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