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お寺ではじめる社会福祉活動

2016.12.20
その他お知らせ

現代は、核家族化が進み、共働き世帯や在宅で介護する方が増え、また同時に、地域のつながりの希薄化も急速に進んでいるといわれます。
この「無縁社会」ともいわれる現代に、様々な悩みを抱えつつも誰にも相談できずにひとりで悩み、周囲もその孤立に気づけないという問題が生まれています。
そうした問題に対して、お寺や僧侶だからこそできることの一例として、社会福祉推進事務局では以下の5つの活動を掲げました。この事業を推進するにあたり、活動の紹介をしてまいります。

どうして“今”、お寺が社会福祉活動に取り組むのか?

お寺は地域や檀信徒に支えられ、頼られ、信頼され、長い歴史を紡ぐことができました。しかし今、あるアンケートによると、仏教に対して良いイメージを持っている人は90%、寺院に対して良いイメージを持っている人は25%、僧侶に対しては10%という結果が得られたとのことです。
また、寺院側も「20年後も寺院を維持・運営するのが“ 厳しい”、“ 全くできない”との回答は合計で約60%」もあったとのことです。決して、どのお寺にとっても他人事ではありません。
宗内でも実に70%以上の寺院が「なんらかの社会福祉活動を行ってみたいが、何をしてよいかわからない」と答えたアンケート結果もあります。
今こそ、檀信徒の抱える悩みや地域の課題に目をむけ、みんなで一緒に今より少しでも心がやすまる瞬間が過ごせるような活動をしてみませんか。これは小さな一歩かもしれませんが、きっとお寺が地域により身近になるための一助となるはずです。

浄土宗の推進する社会福祉活動の紹介

おてらおやつクラブ

全国のお寺にある食品や日用品などの「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、子どもをサポートする支援団体の協力の下、経済的に困難な状況にあるご家庭へ「おすそわけ」する活動。
現在、活動趣旨に賛同する全国800カ寺のお寺と、子どもやひとり親家庭などを支援する各地域の325の団体をつなげ、お菓子や果物、食品や日用品をお届けしている。

米一升運動

地域の寺院から仏供米の「おさがり」の喜捨を募り、集まった浄米を福祉施設や生活困窮者支援などを行うフードバンクや被災地に寄贈・寄託する活動

子ども食堂

孤食になりがちな子どもが一人でも安心して参加することのできる、無料もしくは低額で食事を提供する活動。月1回程度の開催により、地域の人々が集まれる、新たな居場所づくりともなっている。多くはボランティアやNPO により運営され、寺院を会場として開催されているものも存在する。

カフェ・サロン活動

檀信徒を中心に地域住民同士が交流できる場を寺院が提供する活動。「介護」や「子育て」などテーマを設定し、地域住民たちが集まって情報共有や相談の場を提供するもの。(「介護者カフェ」もこのひとつ)。
寺院が主催するもの、地域住民との共催や寺院が活動者に場を提供するもの、またはカフェの茶菓など物資の提供や当日のボランティアのスタッフとして傾聴を行うことなど、様々な関わり方がある。

介護者カフェ

家で一人で介護し孤独になりがちな介護者が孤立することを防ぐ活動。近年増加し続ける介護問題に悩む檀信徒や介護に携わっている方が集まり、情報交換や息抜きの場を提供する、地域住民にとって必要とされる心のケアにつながる活動。

訪問看護ステーション

在宅医療を希望する方に在宅医療ケアを提供するための拠点となる施設。寺院の空き施設での開設を推進する。専門の看護師等が患者の家庭を訪問する際に拠点となる事務所であり、ステーション内での診察は行われない。規模によってはマンションなどの一室でも設置可能であり、政府により在宅医療が推進されている現在、全国で需要が高まっている。

すでに取り組まれているお寺も多くある活動ですので、名前だけは聞いたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これらの活動は、「これからの時代にあわせたお寺の社会福祉・社会貢献につながる活動」として、宗を挙げて推進していくこととなりました。